5月30日、休日出勤の振り替えで休みだったので、西丹沢から大倉まで見頃となったツツジを楽しみながら日帰り縦走する予定だった。平日なら人も少なく、思いきり楽しめるはずだった。
しかし、週末から続いた雨で断念。
そして、今度の週末は晴れの予報となった。
今年は2005年以来となるツツジの当たり年というし、先週末来られなかった人と合わせて2週分の登山者がやって来たのかもしれない。
もとよりツツジ新道の渋滞が予想されたので、いつもより1時間早く出発することにした。
西丹沢行きのバスの1本目は新松田駅を7時20分発だが、当然、増発されていた。
7時過ぎに新松田に到着すると、待っていたバスに乗り込んだ。これが3台目ぐらいだったのだろうか。
西丹沢橋を渡ると、路上駐車の車がずらりと並んでいた。(今回も警察が駐車違反の切符を切っていたらしい。)
とにかく登山者が多いので、なるべく先に登山道に入っておきたい。登山届を書く時間も惜しいので、今回はあらかじめ用意していったものを館長さんに渡して出発。
早出したおかげで、混雑する前に登っていくことができた。もちろん、すでにけっこう大勢の人が登り始めていたが、渋滞するようなことはなかった。
展望園地にはよらずに先を急ぐ。(ここで休憩する人も多いので、先行させてもらうのだ。)
そして、木道が始まるあたりから、いよいよ・・・である。
ここからはカメラを出して、あちこちで写真を撮りながら歩いていく。
シロヤシオとトウゴクミツバツツジが満開になっていた。
白い花と鮮やかな赤紫の花の競演は何度見ても飽きることがない。シロヤシオもトウゴクミツバツツジもどちらもきれいだが、この2つが同じ場所で同時に咲くことによって、より一層素晴らしいものになる。
シロヤシオは1週前から見頃になっていたので、近寄ってみると花びらの縁が茶色くなり始めていたが、まだまだ十分に楽しめた。
シロヤシオは山頂付近でもすでに満開になっていた。
青ヶ岳山荘の前でちょっと休憩した後、蛭ヶ岳へと向かう。
カメラをしまって、しばらく下っていくと、やがて平坦な道になる。ここからもツツジの多いところだが、1週前なら見頃だっただろうが、標高が低い分、すでにピークは過ぎており、シロヤシオの花も変色してしまったものが多かった。それでも、まだまだきれいな花もあったので、やっぱりカメラを持って歩いて行くことになった。
臼ヶ岳への登りでは一旦ツツジは見られなくなるが、ブナの木が多く、これはこれでよい雰囲気である。樹林帯で展望はきかないが、振り返ってみたら、木の間に富士山が見えた。
臼ヶ岳の山頂はまた紅白競演だった。檜洞丸ではすでにけっこう雲が広がっていたと思っていたが、臼ヶ岳から蛭ヶ岳へ向かう際は、けっこう日が差していて、緑が一層きれいだった。
蛭ヶ岳への急登では歩くペースもすっかり鈍ってしまったが、一歩一歩登っていった。
急登が終わると、展望が開け、富士山も眺められた。
そして、蛭ヶ岳の山頂直下でもシロヤシオが見頃になっていた。(トウゴクミツバツツジはさすがにまだ蕾だった。)
蛭ヶ岳の山頂に到着すると、ホッとした。まだまだ先は長いが、一番きついところは終わり、あとは下りの方が多いと思うと、気分的に楽になる。
鬼ヶ岩のあたりではまだ蕾のシロヤシオもあったが、すでに花を咲かせている木も多かった。このあたりはまだ咲き始めなので、花が真っ白で、きれいだった。
丹沢山へ笹原の縦走路を歩いていくと、あちこちでマイヅルソウを見かけた。(今回は写真を撮らなかった。)
早戸川乗越から丹沢山へ登り始めると、毎年楽しませてくれるシロヤシオが今回も満開で迎えてくれた。
丹沢山から竜ヶ馬場、日高と越えていくと、塔ノ岳北面のツツジもちょうど見頃を迎えていた。
こちらも檜洞丸に勝るとも劣らない見事さで、見物人もやたらと多かった。
塔ノ岳の山頂に到着すると、尊仏山荘によることにした。
今回は前半こそ順調に進んだが、蛭ヶ岳の急登あたりからはペースもにぶり、けっこう疲れも出ていたのだった。混雑回避のために、朝はいつもより1時間早く出発しており、時間的には十分な余裕があったので、鍋割山へ向かう前に休憩することにしたのである。
ビール飲んでホッと一息ついてから、鍋割山へと向かった。
大賑わいだった西丹沢や塔ノ岳北面の賑わいから、相対的に鍋割方面は人が少ないかと思ったが、こちらも今日は大勢の登山者がやって来たということだった。先週末が雨だったので、どこも人が多かったのだろうか。
鍋割山でまたしばらく休憩した後、大倉へ下っていった。
先週末に雨で山に登れなかったのは痛かったが、今日は満開のツツジを十分に楽しむことができた。(2週連続で行けたら、もっと良かったのだが・・・)
2005年以来の当たり年ということもあって、シロヤシオの狂騒も大したものだった。
浮かれた私もとんだ失敗をしてしまった。カメラを出し入れする際に、レンズの手ブレ補正のスイッチがOFFになってしまっていて、せっかくの紅白競演の写真が手ブレの失敗写真に終わっていたのにはガッカリした。
狂騒の陰でひっそりと咲いている花もあった。
アカバナヒメイワカガミはいつもの場所にまだ咲いていたし、キンランもお馴染みのところで咲いていた。
しかし、疲れのせいか集中力に欠けて、それ以上は見つけられなかった。この日、別のルートではエビネも咲いていたという話を聞き、うらやましく思うだけだった。