丹沢三峰はシロヤシオが多いことで知られている。が、私は丹沢三峰のシロヤシオは見たことがなかった。かつて訪れたときは、ツツジの開花がやたらと早かった年で、5月末に訪れたとき、すでにツツジは終わっていた。その後、こちら方面はヤマビルが多いし、主稜縦走することが多くなったので、ツツジの時期に訪れないままになっていたのだった。
だから、今回初めてツツジの時期に丹沢三峰を訪れることになった。
昨年は案外シロヤシオの花付きが良かったけれど、今年はどうだろう?
この「どうだろう?」というのは「ダメかな?」といった意味合いで、あまり期待はしていなかった。
実際、塔ノ岳北面の様子を見たときの印象は、「今年は花が少ないな〜」というものだった。
ところが・・・
丹沢三峰ではすでにシロヤシオがけっこう咲いていた。
花の少ない木も多かったが、いっぱい花を付けた木も多くて、十分に楽しめたから、これで悪いなんて言えるわけない。だから、「まずまずかな・・・」ということになった。
もっとも、丹沢三峰はもともとシロヤシオが多く、花が多い年なら、もっとすごいことになっているのかもしれない。しかし、まあ、初めて訪れてきた人が満足する程度には咲いていた。
円山木ノ頭で見たシロヤシオは特に良かった。
丹沢三峰方面はトウゴクミツバツツジが少ないのかどうか? あまり見かけなかった。だいたい咲いていたのはシロヤシオで、トウゴクミツバツツジの写真を撮ろうと思ったのは1箇所だけだった。
丹沢三峰のシロヤシオを十分に楽しめたのは予想外のことであり、うれしいことでもあったが、それにも増してうれしかったのはヤマシャクヤクに出会えたことである。見たいと思ってあちこち歩き回ってもなかなか見られない花がいくつかあるが、ヤマシャクヤクもその一つだったのだ。
ヤマシャクヤクの花弁はほとんど開いておらず、ほとんど球形をした花があちこちに点々としていた。開いていると思ったら、花弁が何枚か落ちていたり。いい感じに開いている花を見つけたが、枯れ枝が邪魔していたのでどかそうとしたら、はらはら・・・と花弁がすべて散ってしまった。ヤマシャクヤクの花は3〜4日で散ってしまうというが、本当に儚い花のようだった。
昨年は、いまでもこの花あるのかな〜?なんて思っていたが、まだまだ残っているようでうれしかった。これからもずっと残っていてほしいものである。
この花が咲いていた場所に関しては書くべきではないのだろうな・・・というわけで、自粛。
この週末はあまり良い天気ではなく、山の上はガスがかかっており、一時は霧雨になりつつあったが、なんとかもってくれた。しかし、この時期にしてはずいぶん肌寒く、洟は出るし、手袋もほしいくらいだった。こんな天気にもかかわらず出かけていったのは、この時期だからこそ見られる花があるからであって、実際、思っていた以上の収穫があった。
今回はヤマビルに会う可能性が十分あると覚悟はしていた。
ヤマビルの大群に襲われるなんてことはなかったが、やっぱりいた。(~_~メ)
いちおう虫除けスプレーをかけるぐらいのことはしておいた。スパッツも用意していたが、中に入り込まれてしまうとわからないから、やめておいた。
(1回目)
ヤマシャクヤクを見て、ふと足下確認してみたら、右足の甲を靴の中に這っていこうとしているやつがいた。一瞬、ギョッとしたが、すぐにつまみ出した。そして、他にもいないか確認したが、大丈夫そう。とりあえず、もう一度念入りにスプレーをかける。
(2回目)
最後に道路に出る前に確認したら、左の足首に何か丸っこいのがくっついてる・・・。靴下の上から血を吸っていたのだった。念のため、道路に出たあと、靴を脱いでチェック。他に被害はなかった。