いつも持っていってく一脚を忘れてしまった。(一脚といっても棒状の一脚ではなく、ひも状の一脚であり、ごくごく小さなものだから、たとえ忘れていっても、実際に使おうという時まで気付くことがないのである。)北アルプスへ行った後、いつも使っている小物を入れ替える際に、忘れていたのだった。前回は、表尾根ということで一脚を使うこともなく、まったく気付かないまま水ノ木沢へ行って、いざ写真を撮ろうと思ったら、一脚がないことに気付いたのだった。それでも、Image Stabilizer(手ブレ補正)付きのレンズだから、ある程度はなんとかなるだろう、そう思っていたのだが、なんと、途中で、このスイッチがオフに切り替わってしまっており、最後の高指山でやっと気付くというお粗末なことに。(確かに、途中で荷物を出し入れする際、何かのスイッチが切り替わるような感じがしたのだが、まさかISのスイッチがオフになっていようとは気付かなかったのだった。)
丹沢湖から走っていく。舗装された道路を浅瀬まで行き、ゲートを越えて、林道を走る。不老山へのコースとなっている吊り橋を過ぎると、左手に夕滝が見える。以前来たときは、部分的にしか見えなかったが、今回は全体が見渡せたので、すかさず写真を撮る。
暑い中を走っていくが、ミンミンゼミに混じって、ツクツクホウシの鳴き声が聞こえるから、夏も終わりに近づいてきたという気がしてくる。延々と続く林道では、ところどころでカラスアゲハに出会った。林道に湧き水が出ているようなところには群れをなして留まっていたりする。
馬印の分岐で、切通峠方面とは分かれて右手の道を行く。菰釣橋を渡ると、また分岐となり、右手に進むと、またまた橋を渡って分岐となる。左の道を行き、道が右に曲がるところが入渓点(本当は、もう一つ沢を渡ってから林道が右折するところが入渓点だった!)ということで、沢に下りて、遡行開始したのだが、序盤でちょっともたついた。沢を間違えたか? と行きつ戻りつして時間をロス。それでも、ここで間違いないと、堰堤を越えていったのだが、どうやら入渓点を間違えて、沢に下りるのが早かったようである。(同じような間違いは他の人もしているようで、堰堤を越える際も、踏み跡がついていた。)
いくつかの滝を越え、ゴルジュをトラバースし、深い釜の4m滝を左から巻いて登ると、いよいよナメが多くなる。
梅ノ木沢との二俣で左の本流に入り、左から枝沢が1つ出合うと、その先で2段10mの滝が現れる。この沢で見る滝としては最も大きな滝だが、右側の岩が階段状になっているので、簡単に越えられる。
これを越えると、10mナメ滝、100mのナメ、10mナメ滝と続くこの沢のハイライト部分となる。最初のナメ滝を快適に登ると、100mのナメとなるが、傾斜もあり、単調ではないので、スタスタ歩いて、あれよあれよという間に最後の10mナメ滝となった。
この沢は、けっこう二俣があるのだが、遡行者も少ないので、マーキングテープなども少なく、二俣のたびに神経を使う。2段5mの滝を越えて、次の二俣だっただろうか、水量比1:1で右俣に入るが、まもなく水が涸れてしまった。しかし、左の方に水音がしたので、こちらが本流かと思って、そちらを登っていく。
次第に水量が減っていき、傾斜も増してくる。ガレたルンゼから右手の尾根に取り付いて、かすかな踏み後たどって登っていくが、けっこうヤブがあって、すっきり登れないところは、やはり間違えたらしい。
そのまま登っていくと、やがて登山道に出たが、さて、ここはどこだろう? くもっていて、あまり展望がきかなかったから、なおさらわからない。ここまで登るのにけっこうもたついて時間がかかっていたから、早く下山するなら、左に進むべきところだが、せっかくなので、菰釣山へ行くことにした。菰釣山は右のはずである。(ちなみに、稜線に出たところには、赤テープがついていたけど、ここにつける意味あるの?)
登山道を右に進み、最初の指導標がブナノ丸だった。ははは、やっぱり右に行くところを間違って、左に入っちゃっていたんだ。ブナノ丸からさらに進んで、本来の目的地、菰釣山まで行った。
菰釣山もくもっていて、特に見るべきものもなかったので、すぐに出発。
畦ヶ丸から大滝橋へ下山となると、アップダウンもかなりあり、時間的にかなり遅くなりそうだから、最初から行く気はなかった。道志方面に下りても、時間的にもうバスはないから、山中湖まで行くしかない。それで、今来た道を引き返して、山中湖を目指す。
稜線はくもっていたし、風もあり、けっこう涼しかった。石保土山あたりからしばらくはなだらかな道が続くので、ペースを上げる。山伏峠で下りてしまうという考えもあったが、コースはなだらかだし、時間的にも問題ないと思ったので、高指山まで行くことにした。
部分的に急なところもあるが、全般的にはなだらかなので、さらにペースを上げて高指山へ向かった。
登山道ではほとんど花がないと思っていたが、高指山に近づくと、花が増えてきた。
フシグロセンノウ、カワラナデシコ、キオン、ヒオウギ、コバギボウシなど思いがけずいろいろな花を見ることができたので、山伏峠で下りなくてよかった。
また、高指山まで行ったら、それまで見えなかった富士山も見えた。
高指山から切通峠には向かわず、直接下っていくことにした。山頂から直接西のほうに下っていく道で、比較的最近整備された道のようである。
やがて普通の道に出て、平野へと向かうが、このあたりは、テニスや各種スポーツの合宿に来ていると思われる学生が大勢いた。
平野付近のバス停で時刻表を見るが、当分バスは来ないようだから、そのまま旭日丘まで走っていった。
旭日丘のバス停でバスの時間を確認し、トイレに行って、顔を洗った。
旭日丘のあたりは観光地とあって、ソフトクリームなどのお店がいっぱいある。ソフトクリームを買ったら、中に麦茶もありますよと言われたが、バスの時間まで5分程度しかなかったので、ソフトクリームを食べながらバス停に向かったのだった。