鉄砲沢

日付 :2005/07/30
コース:玄倉→ユーシン→鉄砲沢→鍋割峠→鍋割山→大倉

 どうもこの夏はいまいち天気が安定しない。それでも天気は悪くないようなので、例によって丹沢へ。
 新松田駅で西丹沢行きのバスを待つ人が列を作っているのを横目に見ながら、御殿場線に乗っていく。
 谷峨から乗ったバスはすでに満員だった。案外混んでるものである。

 2週間ぶりに、またまた玄倉林道を走っていく。前回は、ヤマユリも咲いていたが、今回はどうだろう? と思っていたのだが、どうやらもう終わってしまったようだった。と、思ったら、右手の法面を見上げれば、そろそろ終わり近く、かなり疲れた感じのヤマユリがまだいっぱい残っていたりした。林道ではタマアジサイが咲き始めていた。つぼみもいっぱい見かけたので、これからしばらくは咲き続けていそうである。
 また、ところどころでカラスアゲハが飛んでいたので、写真に撮れないものかと様子をうかがったが、なかなか止まってくれないので、あきらめた。

 ユーシンを過ぎ、茅ノ木棚沢を渡り、次の鉄砲沢が今回の目的地である。
 鉄砲沢は、右岸からザレた踏み跡たどって沢に下りる。最初の堰堤を右から越えていくのだが、ザレていて崩れやすい斜面なので歩きにくい。堰堤の向こう側は、なかなかよい感じの沢で、右に曲がりくねっていくと奥に2つめの堰堤が現れる。左に踏み跡がついているが、ここもザレていてよくない。
 なんとか越えると、すぐに深い釜の小滝。ここは釜に入るしかないのだが、倒木がかかっているので、これを利用して簡単に越えられる。
 この沢はナメがきれいな沢である。
 次に現れるのは、やっぱり釜を持った滝。水流沿いも登れそうだけど、右から巻いた。
 3つめの堰堤は左から簡単に越えられる。
 続いて、また釜付きの小滝が現れる。その先にはナメ滝が続いているのが見える。この沢の最もきれいなところである。
 最初の小滝の釜に入ったら、腰までつかってしまった。やっぱりけっこう深い。ナメ滝は石英閃緑岩でフリクションがよくて滑る気がしない。
 2つめのナメ小滝を登って、上の3段を見たのが下の写真。一番上の滝がちょっと高いかと思ったが、まったく問題なく左から登っていった。

ナメ滝群
小釜を持ったナメ滝群

 途中、イワタバコがいっぱい咲いていた。今月あちこちで見ていたのは花茎などに毛のあるケイワタバコだったが、今回のは毛がなかったので、普通のイワタバコのようである。ケイワタバコとイワタバコは花期がちょっとずれていて、ケイワタバコのほうが早い。

イワタバコ
イワタバコ

 しばらくすると広めの釜を持った小滝が現れる。その上のゴルジュにもう一つ滝が見える。釜はちょっと深いので、左から巻くことにする。細い木をつかんで上に登ると、そのまま上の滝も巻いていけた。

広い釜の小滝と奥にもう一つの滝
広い釜の小滝と奥にもう一つの滝

 この沢は、あちこちに倒木があるが、とにかくナメが連続していて、きれいな沢である。沢は傾斜もなだらかで、ひたすらナメが続くといった印象である。

ナメ滝
ナメ滝
ナメ
相変わらずナメが続く

 S字状のナメがあり、その上に4mの滝がかかる。この滝も特に問題なく、左から越えた。

S字状ナメと4m滝
S字状ナメと4m滝

 やがて沢は二俣になる。左俣のほうが若干水量が多かったか。
 左俣を進むが、依然としてナメが続いている。
 ゴルジュで傾斜のある滝を伴って、左から枝沢が入る。本流と思われる右の方が水量は多いので、そのまま右へ進む。
 次第に水量も少なくなり、傾斜も増してくる。もう水はほんのわずかだが、かなり傾斜のあるナメ滝が現れた。傾斜が増しており、横のガレを登るのはむずかしく、ちょろちょろ水の流れている岩のほうがフリクションがきいていて登りやすい。
 源頭部はさらに傾斜を増す。ガレのルンゼを登っていくが、かなりの傾斜である。稜線が見えて、もう少しというところまでいっても、簡単には登れない。数m横にある木にたどりつければ・・・と思ったら、うっすらと踏み跡がついていた。なんとか踏み跡をトラバースして木の下にたどりつき、木につかまって、よいしょと体を持ち上げると、ようやく一息つくことができた。木をつたって登っていき、稜線に上がると、はっきりとした踏み跡が右に続いていた。鍋割峠の西側から北に延びる小尾根だった。踏み跡たどっていくと、やがて登山道に出て、左にちょっと下ると鍋割峠だった。
 鍋割峠から登山道を登っていき、やがて鍋割山に到着。
 ガスのかかった山頂は、数人の登山者がいるだけで、ひっそりとしていた。もちろん、涼しい〜
 山頂ではコエゾゼミが鳴いていた。
 山頂でしばらく休憩した後、後沢乗越経由で大倉に下山した。


 鉄砲沢は、最初の2つの堰堤越えとツメの急登さえなければ、鍋割山への隠れた名コースと言えるのだが、残念ながら、広く一般に推奨することはできない。でも、沢自体はきれいなナメが連続する美しい沢である。
 玄倉からは10km以上も歩かなければならないので、ほとんど遡行する人もいないのかと思うのだが、実際にはそれなりに踏み跡もあるから、やっぱり遡行する人はいるのだろう。

 なお、今回の遡行にあたっては、「マシラの部屋」の記録を参考にさせていただきました。

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