玄倉川檜洞

日付 :2004/09/18
コース:玄倉→ユーシン→檜洞→金山谷乗越→檜洞丸→西丹沢

 この3連休を利用して2泊ぐらいで南アルプスに行こうかと思ったら、またまた天気が良くない。連休初日はなんとかよさそうだから、夜行日帰りで甲斐駒ヶ岳へでも行こうかと考えていたが、連休直前になったら、どうも悪い方に変わってきた。それで、あえなく南アルプスは中止。それでも神奈川県の天気は案外よさそうなので、西丹沢へ向かうことにした。真夏の晴れた暑い日に行こうと思っていた玄倉川檜洞を遡行することにした。

 たしか、今日の天気はまずまずいいと思っていたのだが、西丹沢へ向かうバスから外を見ると、くもっていていまいちである。なんて思っていたら、雨が降ってきた。おいおい、嘘だろ、と言いたくなる。雨はあっさりやんでくれたので、気を取り直し、玄倉でバスを降りる。
 先週に引き続き、今週もまた玄倉林道を走っていくことになった。青崩隧道の中は、ヘッドランプでは足下を照らすのがやっとであり、ほとんど真っ暗闇の中を歩いていかなければならないから、あまり気持ちのよいものではない。ちょうどタイミングよく自動車が通りかかってくれれば、ヘッドライトで照らし出されて、明るくていいのだが、そうそうこちらに都合良く自動車が通りかかってくれるものでもない。それで、ヘッドランプを点灯してトンネルに入ろうとしたら、まったくタイミングよく後から自動車がやってきた。それですかさず走って、自動車のあとを追いかけていった。明るいうちに少しでも先へ行ってしまおうという魂胆である。すると、なぜか自動車が止まった。そして、自動車の横を走って追い抜こうとしたら、この車の運転手さんは親切にも私をユーシンまで乗せていってくれたのだった。まったく予想外の幸運で時間を短縮できた。

 ユーシンロッジの裏手の登山道を歩いていく。4年ぶりだと、前回どんなだったかほとんど忘れているが、案外いい道がついていた。この道をたどっていけば、石小屋沢出合あたりまで行けると思ったが、写真を撮るため、早めに沢に下りた。

玄倉川檜洞
深い釜を持った滝

 上の写真の滝は深い釜を持っているので、写真を撮るとまた登山道に上がった。その上で沢に下りたが、そこにももう1つやっかいなところがあった。沢の真ん中に巨岩があり、その両脇から水が落ちている。これはちょっと・・・と思うと、左から巻いていく。そして、下の写真のところで雨が降ってきた。それも本降りの雨だったので、しばらく待機。(--;)

玄倉川檜洞
水量豊富な沢で、釜も多い

 やがて、小降りになり、遡行再開すると、わりとあっさり雨は上がってくれた。それで気を取り直して遡行していく。
 石小屋沢出合のあたりでユーシンからの登山道がであう。この登山道を使えば、下流側の面倒な場所はパスできるわけだ。
 遡行していくと、やがて大きな釜を持った滝が現れる。

釜を持つ5m滝
釜を持った5m滝

 4年前にはなぜか写真を撮っていなかったから、こんな立派な滝だったなんてまったく覚えていなかった。この沢はまったく親切にも至る所に赤い矢印などの目印があり、ロープも設置されていたりする。赤い矢印に従って、左の巻道を登る。続いて現れるのがV字峡で、これは手前右から巻いていく。この上で二俣となる。左が檜洞、右がユーシン沢である。

V字峡
V字峡

 石英閃緑岩の美しいナメを歩いていったり、はたまた巨岩帯を越えていったりする。
 しばらく歩いていくと、やがて目の前にまた滝が現れる。魚止ノ滝の最下段(写真左下)である。ここで写真を撮るが、またしても雨が降ってきた。えー、そりゃないよ。最下段を左から越えたところで、しばらく待機。魚止ノ滝上部を写真に撮るための待機である。写真を撮るべき場所は、これが最後のはず。お願いだから、雨よ、やんでくれ。でも、なかなかやみそうにない。それで、とりあえず写真を撮ると、遡行再開。魚止ノ滝最上段は右から巻くことになるが、4年前にはなかったロープが設置されていた。

魚止ノ滝最下段 魚止ノ滝上段
魚止ノ滝最下段(左)・魚止ノ滝上段のナメ滝(右)

 魚止ノ滝を越えると、あとはもう難所はない。そのかわり写真に撮るべき場所もほとんどないので、ペースを上げてスタスタ歩いていく。その後、再び雨は上がったが、多少ガスはかかっており、雨は降ったりやんだりだった。次第に水量も減ってきて、歩きやすくなる。
 下駄小屋沢出合を過ぎ、さらに遡行していくと、右から乗越沢が入ってくる。左の経角沢のほうが本流なのだろうが、ここは右の乗越沢に入る。乗越沢もいくつか支沢を持っているが、右へ右へと登っていく。すると、やがて金山谷乗越で登山道(木道部分)に出る。
 いつもなら、水が涸れたところで、休憩にして靴を履き替えるのだが、今回は雨が降っていたこともあり、休憩なしで歩き続け、そのまま檜洞丸の青ヶ岳山荘まで登っていった。

 青ヶ岳山荘に入って、ようやく休憩。コーヒーをたのみ、遅い昼食をとった。コーヒーはお代わりを入れてくれたりして、相変わらずサービスのいい小屋番さんである。
 最終バスには余裕で間に合うように見計らって、しばらく休憩した。下山は、最短コースのツツジコースをさっさと下っていく。雨はやんでくれたけど、くもっていたので、下の方まで下りていくと、ちょっと薄暗くなっていた。

 登山地図などを見ると、「檜洞沢」と記載されていることが多いが、「檜洞」というのが正しいらしい。「洞」=「沢」だから「檜洞沢」というのはおかしな表記ということになる。また、「山と高原地図」にはユーシンから金山谷乗越まで沢沿いに破線の表示があるが、現在、この沢沿いの登山道といったらユーシンから石小屋沢あたりまでしかないはずである。かつては沢沿いに登山道があったということだが、現在は登山道なんてあるはずがない。何度も沢を渡り返したり、沢の中を歩いていったりするので、登山靴で歩くようなコースではなく、沢登りの用意が必要である。全ての滝に巻道がついているので、問題なく歩いていけるコース(というか、滝を直登していくような沢ではない)ではあるが、なぜ、いまだに破線で表示しているのだろうか?
 この沢は、真夏の暑い日に遡行すると楽しく過ごすことができるだろうな〜
 本当は、8月頃に行きたいと思っていたし、今回も暑くなるかと思っていたので、行ったのだけど、雨に降られてしまい、ちょっとがっかりである。とはいえ、檜洞は、美しい沢で、十分に楽しむことはできた。写真のほうもなんとか見られる写真が撮れたので、とりあえず満足できる内容だったといえる。
 このコースは最近のガイドブックには載っていないが、少し前の山と溪谷社のアルペンガイドには「丹沢の主要なコースを歩きつくし、いくつかの沢登りを体験した人には、ぜひ試みてほしい桧洞丸の古典的登路である」と記されている。これには私も、まったく同感。そのうちまた行きたいなと思う。(アルペンガイドのコースタイムは、ユーシンロッジ〜金山谷乗越が4時間20分となっていた。今回の私のコースタイムは、3時間47分だが、雨のため2度の停滞があったので、実質3時間といったところだろうか。)

 なお、今日は、沢沿いにイワシャジンやホトトギスがいっぱい咲いていた。また、金山谷乗越ではリンドウも(つぼみだったけど)みかけた。山はすっかり秋らしくなってきたようである。それから、今回は、やたらとあちこちでカエルに会った。

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