久しぶりに大倉尾根を駆け上がった。
本当は、大倉尾根を登るのは、コンディションのいいときだけにしたいのだ。別にタイムトライアルをしているわけではないのだが、それでもあまり遅いと体力が落ちたとガッカリすることになる。だから疲れが残っているようなときは、ガッカリしたくないから他のコースを登っていくことになる。
さて、今回はというと、実は足に疲れが残っていた。だから、あまり大倉尾根を登りたくはなかったのだが、今回の目的地のことを考えると、手っ取り早く塔ノ岳に登っておく必要があった。それで、必然的に大倉尾根を登っていかざるを得なかった。
疲れが残っていたとはいうものの、堀山ノ家で時計を見ると、大倉から49分だった。塔ノ岳まで1時間30分以内で登るための目安が堀山ノ家50分なので、タイム的には悪くないではないか。もちろん、後半ペースが落ちてしまったのではどうしようもないのだが、今回は、なんとか1時間半以内で登り切った。くもっていて涼しかったのがよかったか。
塔ノ岳では休憩せずに、そのまま丹沢山へ向かう。ここからは、もう時間を気にすることもなく、のんびりと進んでいく。やがて、丹沢山に到着。山頂はマメザクラが見頃だった。ここで休憩にして、軽く昼食。そして、堂平方面へと下っていった。
今日は丹沢山の山頂もけっこうにぎわっていたが、堂平方面への登山道もいつになく多くの登山者が歩いていた。新緑の時期ということで、堂平のブナ林を見ようという人も多いのだろうか。
堂平へ下っていく途中、シロヤシオが開花しているのを見つけた。昨年はさっぱりだったが、今年は昨年よりは花のつきは良さそうである。
そして、今回の目的地、堂平のブナ林。昨年の秋に訪れて、今度は新緑の時期に訪れたいと思っていたところである。入口のところで休憩している人はいたが、ブナ林では誰にも会わず。ジグザグに登っていって、傾斜がなだらかになると道も消えて、目的地にたどり着いた。丹沢のブナ林は、ここの他にもあちこちで見られ、鍋割山稜などのようにけっこうお手軽に楽しめるところもあるが、堂平のブナ林は広々としていて、やはり特別なものがある。
秋の黄葉の時期もいいが、やはり私は新緑の季節が一番好きである。広々とした新緑のブナ林の中をしばらく散策しつつ、上の方に登っていく。三ツ峰のほうに向かって歩いていくと、前回はいつしか登山道が現れたが、前回どこをどう登っていったかなんて覚えていない。それでも、しばらく歩いていくと、今回もやっぱり登山道が目の前に現れた。登山道をたどっていき、やがてジグザグに登っていくと丹沢三ツ峰の稜線に飛び出した。このあたりのシロヤシオはまだつぼみだった。
丹沢三ツ峰を越えて、宮ヶ瀬に下りていくという手もあったのだが、今回は、瀬戸沢ノ頭を越えて、再び丹沢山へと向かった。丹沢山に戻ると、来た道戻って、塔ノ岳へ。そして、珍しく大倉尾根を下っていった。
毎回、各地の出発、到着時間は記録しているので、大倉尾根の下りの時間というのもある程度の目安がある。下りでがんばってもしかたがないし、膝を痛める危険もあるので、下りではやたらととばす気はない。そんなこともあって、大倉尾根の下りはたいがい1時間ちょっとかかっている。今回も同じで、適当に下っていったので、ちょっと遅めで、1時間10分ぐらいかかるかと思ったら、あれまあ、意外、今回は1時間かからなかった。