2004年の最初の山登りはどこへ行こうかと迷うことはなかったが、いつ登るかでちょいと迷った。結果的には、年末年始穏やかな日が続いたが、当初の週間予報では元旦は雨だとか言っていたし、大晦日の日には、2日〜3日がよくないようなことを言っていた。まったく週間予報などあてにならないものである。
さて、1月2日は、快晴となった。西丹沢行きのバスはというと年末年始、本数が少ないので、新松田駅を10時35分発のバスを利用することにした。ただし、このちょいあとに御殿場線の電車が出ていたので、こちらに乗って、バスには谷峨駅から乗っていった。運賃を少しでも安くすませようと、よくやる手である。
山の上から初日の出を見ようという人は多いが、2日〜3日あたりは親戚で集まったりすることも多いだろうから、山に登る人など他にいないかと思うと、案外そうでもないようで、こんなときでもオートキャンプ場に来ている人たちもいるのだから、生活様式も多様化しているといったところだろうか。
今回は小屋泊まりだから、のんびりお昼頃から登り始める。ツツジコースを登ってしまったのでは、あっさりと山頂について終わりになってしまうから、今回は犬越路経由である。27日に降った雪も日当たりのいいところは解けてしまい、犬越路への道では、用木沢沿いに歩くところで雪が残っていた程度だった。
犬越路から檜洞丸へはわりと眺めのいいコースだが、小笄〜大笄にかけては、クサリ場もあるけっこうアップダウンのきつい所である。日陰にはうっすらと雪が残っており、ちょうどこのあたりがいやらしかった。もう少し雪があれば、歩きやすかったのかもしれないが、うっすらとある雪はちょっと凍っていたりして、かえって滑りやすく感じられた。登りということもあり、アイゼンは使用しなかったが、やっぱりアイゼンをつけたほうが早かったようだ。
天気は快晴で、暖かく、穏やかな陽気だったため、手袋の必要もなかったのだが、熊笹ノ峰あたりまで登ると、けっこう風が強くなった。こうなると、さすがにちょっと寒くなってきて、手がかじかんでしまった。しかし、天気はよくて、富士山はきれいに眺められたから、文句を付けるほどのことでもなかった。
途中、とこどころで立ち止まっては写真を撮ったというこもあるが、やはり小笄〜大笄あたりの雪でちょっと時間を食ったことから、檜洞丸まで3時間かかってしまった。
小屋泊まりの際、ご来光はよく見るが、日没はというとなかなか見る機会が少ない。朝のうち晴れていても、お昼頃にはくもってしまうというパターンが多いのだからしかたがない。しかし、今回は、一日を通して晴れていたので、夕日にも期待を持たせてくれた。結果は、上の写真のとおりで、悪くはないが、もうひとつといったところだった。
1月3日、当初の予定では、檜洞丸から蛭ヶ岳、丹沢山、塔ノ岳と縦走して大倉に下りるつもりだった。コースとしては、これが一番おもしろそうだし、大倉ならば交通の便がいいのだから、当然のごとくこのコースでいくつもりだったのだが、出発前日、ふとした思いつきで計画変更。姫次には何度も行っているが、袖平山には一度も行っていないので、姫次から袖平山にまわって、神ノ川に下りることにした。ただし、月夜野に行っても三ヶ木行きのバスはないから、犬越路を越えて、西丹沢自然教室まで行くというコースである。
3日も天気はよくて、まずはご来光を見て、次に紅く染まった富士山を眺めた。
小屋泊まりだと時間的に余裕があるのがいい。日帰りでやろうと思ったら、たいへんだが、山頂からスタートだから、気分的にかなり楽である。そんなわけで、特に急ぐでもなく、8時に出発。
朝はやっぱり寒いかと思ったが、外に出てみると、今日も暖か。上着を脱いで、長袖シャツにジャージの2枚でOKだった。最初、手袋をつけていたものの、これもやっぱり必要なくて、途中であっさりはずしてしまった。
雪もところどころについているといった程度で、まったく問題なし。スパッツもアイゼンも必要なかった。
蛭ヶ岳から姫次へ向かう道は北面ということもあって、まだまだけっこう雪が残っていた。とはいえ、スパッツ、アイゼンとも必要ない程度の雪だった。津久井方面はバスが平日のみとなったため、歩く人も少ないようだった。
展望のよい姫次に出て、ここから主脈と別れて、東海自然歩道を袖平山へと向かった。袖平山も展望はよくて、蛭ヶ岳〜檜洞丸、大室山などが眺められた。
袖平山からはぐんぐんと下って行くのみ。いったん、風巻ノ頭へ登り返すが、そのあとはまたひたすら下っていって、やがて林道に飛び出した。袖平山あたりもところどころに雪は残っていたが、ほとんどたいしたことはなく、何の問題もなかった。しかし、油断は禁物。林道は凍っていて、あやうく滑りそうになり、ヒヤッとした。むろん、氷の上を歩こうなどとは思わなかったが、氷がついていないと思って足を出したところも、実は凍っていたようで、滑りそうになったのだった。まったく、こんなところで、怖い思いをするとは夢にも思わなかった。
神ノ川ヒュッテから日蔭沢に沿って、登っていく。長い距離を歩いてきて、一旦林道に下りたあと、再び登っていくというのもけっこうつらいものがある。はじめのうちはまったく雪はないが、犬越路へ近づくにつれて雪も多くなってくる。しっかり雪がついているとはいえ、人が通ったところは、半分氷のようになっているから、それほど歩きやすくもない。(やっぱりここは軽アイゼンを使った方が早かったな)
犬越路まで登ってしまえば、もうあとは下りのみ。南面には雪もないから、もはや滑る心配もなく、用木沢出合へと下っていった。今回、もう少し早く行けるかと思っていたが、日帰りと違って荷物も多めだし、登山靴はちょっと重いし、おまけに半端な雪はあるわで、けっこう時間がかかってしまった。西丹沢自然教室到着は午後3時だった。
今回は、まだ行ったことがないという理由で、袖平山へと向かったが、一般的にはやっぱり蛭ヶ岳から塔ノ岳へと向かうコースがお勧めだし、今回のコースをもう一度やろうという気もしない。このコースが悪いとは言わないが、やっぱり素直に塔ノ岳へ向かうほうがおもしろいだろう。
前回、丹沢三ツ峰へ行ったときはけっこう雪があって楽しめたが、今回はかなり雪がとけてしまい、ちょっと中途半端な状態だったようである。アイゼンなしでも歩けるとはいえ、うっすらと残った雪(というか半分氷)のところでは、ちょっと滑りやすくなるから注意しなければならず、かといって、雪がとけてしまっている所も多いから、アイゼンを使うとしても、何度も着脱する必要があるだろう。
雪が少ないとはいえ、今の時期、軽アイゼンは必携です。不安に感じたら、軽アイゼンをつけることをお勧めします。
青ヶ岳山荘に泊まるのは、今回で2回目である。前回は2000年の8月だから、とんぼさん(小屋番)も当然私のことなど覚えているはずもない。しかし、それにもかかわらず、「ポチ」のことを知っていたので、こっちのほうが驚きだった。
ちなみに、前回は真夏だったので、玄倉〜ユーシン〜檜洞(沢)〜檜洞丸(泊)〜蛭ヶ岳〜丹沢山〜塔ノ岳〜鍋割山〜大倉というコースだった。当時の記録を調べてみると、2日目の朝は7時に出発しており、尊仏山荘でビールを飲み、鍋割山荘で鍋焼きうどんとかき氷を食べたらしい。早く下山しても暑いだけなので、もう少しゆっくりしてくればよかったと思ったことをうっすらと覚えている。