西丹沢行きのバスは混んでいた。
大半の人が降りたのは浅瀬入口だった。
当初、私もそちらへ行こうかと考えていたのだが、案外雲が多く、富士山が見えなかったのでやめにしたのだった。
それで、今回は久しぶりに檜洞丸に登ることにした。
昨日の午後には雪が降ったということで、ツツジ新道の登山口に向かう途中で見た大室山も白くなっていた。
ツツジ新道を登っていくと、ミツマタが見頃を迎えていた。
檜洞丸も上部の斜面は白くなっていたが、登山道には雪はなかった。
朝のうちは雲がかかって富士山が見えなかったが、山頂に着く頃には富士山も山頂付近が見えてきていた。
檜洞丸から同角山稜へ向かう。
石棚山稜への分岐から少し下ったところで、富士山が見えた。
同角山稜は蛭ヶ岳〜塔ノ岳の山並みを一望できるので好きなルートである。
ザレて歩きづらいところも多く、クサリやハシゴが設置されているところも多いが、それでもやはり良い。
長らく通行止めとなっていた玄倉林道が開通して、チラホラ登山者の姿を見かけたが、それでもアプローチが長いことに変わりはなく、依然として静かなルートである。
まだ花は咲いていなかったが、5月の下旬には咲くであろう野草を目に留めながら歩いていった。
長いクサリ場を登れば、大石山の山頂で、ここでまた主脈の展望を楽しんだ。
大石山の山頂からひと下りすると、大石山の名の由来となった大石がある。同角山稜の楽しいところはこのあたりまでか。
あとはユーシンまでひたすら下っていく。昨年秋に歩いたときにもそうだったが、斜面が崩れたところもあって、ちょっと歩きづらいところもあった。
ユーシンから玄倉までは林道をひたすら下っていく。距離にして10km、8つのトンネルをくぐっていく。新青崩隧道はヘッドランプ必携である。玄倉林道もチラホラ歩いている人たちを見かけた。
なお、新たに斜面が崩落していた箇所には新しい洞門が作られていた。