丹沢の雪に遊ばれて
日付 ：2012/01/29
コース：三叉路→丹沢三峰→丹沢山→塔ノ岳→大倉
丹沢にまとまった雪が降ったので、雪を楽しみに行くことにした。
けっこう積もったようだが、すでに多くの登山者が入った後である。比較的登山者の少ないルートの方が雪を楽しめるだろう。そんなわけで、今回は宮ヶ瀬から丹沢三峰を越えていくことにした。
宮ヶ瀬にはまだ雪が積もっていた。道路は除雪されているが、道路の脇は雪が残っている。さすがに街中とは違う。9時半頃の時点で、気温は0℃と寒かった。いつもなら、ちょっと薄着になって登っていくところだが、今回はいっぱい着込んだまま登っていくことにした。
降雪後何人かは歩いたようで、踏み跡があった。
序盤は多少の雪はあるものの、まったく問題なく、普通に歩いていった。ところが中盤にさしかかってから歩くペースが落ちてしまった。高畑山の南側を巻いていくところで、一箇所木橋がかかっているが、けっこう雪が積もっており、歩きづらい。バランスを崩せば落ちてしまうので怖いところだ。この部分には1人分の踏み跡しかなかった。（高畑山経由で歩いた人がいたかどうかは確認せず。）
コースの中盤は稜線の北側あるいは南側を巻いていくが、けっこう雪が積もっていたので、傾斜の急なところでは慎重に歩かなければならず、ペースも落ちて、時間もかかった。
トラバースが終わって、ようやく本間ノ頭への登りになると、ホッとしたが、実際にはそれからがきつかった。
手をつくと雪で濡れるので、木の枝を拾ってバランスに使ったりしていたが、やがてそれでは済まなくなって、太い棒を拾ってストック代わりに使うことにした。
その頃になって、チラホラと下ってくる人とすれ違った。中にはピッケルを持った団体さんもいて驚いた。さらにはスノーシュー（それともワカンだったか？）をはいた人も・・・
本間ノ頭への登りは階段状にはなっていないので、雪が積もっているとちょっと登りづらい。アイゼンを付けたほうが歩きやすかったようだ。しかし、アイゼンなしでも登れるし、立ち止まってアイゼンを付けるのも面倒くさくて、そのまま行ってしまったのだった。
随分と登ったつもりが、本間ノ頭から北東に延びている尾根を右手に見て、本間ノ頭まではまだまだ登らなければならないとわかると、さらに疲れてくる。
ストック代わりに使われていたと思しき木を拾い、ダブルストックにしたら少し登りやすくなった。
そうして、ようやく本間ノ頭に着いたところで時間を確認したら、すでに午後2時を回っており、あまりに時間がかかっているのに愕然とした。このまま大倉に向かった場合、途中で日没を迎えることになるのは明らかだった。そのまま引き返した方が早い。とはいえ、夕方までには塔ノ岳に着くだろうし、大倉尾根なら日が暮れても大丈夫だろうと思い、そのまま丹沢山へ向かっていった。
本間ノ頭から丹沢山にかけてはたっぷりと雪があった。かなり遅れていたため、のんびり楽しんでいる余裕もなかったが、本間ノ頭までの登りと比べると、歩きやすくなって助かった。
丹沢山到着は3時半過ぎで、すでに日は傾いて夕暮れが近かった。
不動ノ峰
丹沢山からは大勢の登山者に歩かれて登山道はしっかり踏み固められており、無雪期同様に歩いていくことができた。これだけ歩かれてしまうと、もはや雪を楽しむという感じでもないかもしれない。
塔ノ岳方面の眺め（目の前の踏み跡は登山道ではない）
竜ヶ馬場方面を振り返る
塔ノ岳には4時半頃到着。さすがにこの時間にはもうみんな下山した後である。山頂で三脚を立てて写真を撮ろうとしていた人は泊まりの人だろう。
塔ノ岳山頂から富士山を眺める（すでに夕日だ）
花立のあたりでは、夕日を受けた雪面がオレンジ色になり、木の影は青味を帯びて伸びていて、なかなかきれいだった。下山が遅くなってしまったために見られたので、苦労した甲斐があったとも言える。
夕暮れの富士山
花立山荘下の長い階段を下り終えたあたりで日没を迎えた。この長い階段は日当たりもよいので、すでに大方の雪は解けてしまっていた。
まもなく日没
あとは次第に暗くなっていく登山道をひたすら下っていった。とはいえ、うっすらと雪が残っていて滑りやすいところもあったし、今回は登山靴を履いていたので、駆け下りていくこともできなかった。
堀山の家の少し上あたりで、1組の登山者に会った。駒止茶屋の上のベンチでもまた1人。さらに雑事場ノ平で登山道が2つに分岐して再び合流するまでの間でさらに1組の登山者に会った。やっぱり大倉尾根は暗くなっても歩いている人がいるものである。
今回は雪を楽しむつもりで丹沢三峰を登っていったが、思っていたよりも苦戦してしまった。とはいっても、危ない状況に陥るほどではなく、ちょっと苦労させられた程度。なんだか遊ばれてしまったような感じである。今回は、ストックぐらい持っていくべきだった。