東沢から遺言棚

日付 :2010/09/26
コース:西丹沢県民の森→東沢出合→東沢乗越→遺言棚→同角山稜→中ノ沢乗越→東沢出合→西丹沢県民の森

 今年の夏は本当に暑かった。
 しかし、今週は一気に涼しくなった。もはや長袖が必要だ。
 先週まではひたすら沢だったが、これだけ涼しくなってしまうと、テンションも下がり、もういいか・・・という気にもなってくる。
 そこで、今回は久しぶりに遺言棚を見物に行くことにした。先日の大雨により、あちこちの林道やら登山道で影響が出ているが、まあ、なんとかなるだろう。遺言棚は雨が少ないと涸れてしまうが、今回は水量も多めでいいのではないか?
 そんなわけで、今回はまた「丹沢マイナールート探検隊」のキリヤマ隊長と遺言棚の見物に行くことになった。

 仲ノ沢林道は落石が多かった。そして、法面下の湧き水は大量に水が流れ出ており、林道が川のようになっていた。これは沢も水量が多そうである。
 西丹沢県民の森から中ノ沢径路を行く。
 水平な径路で歩きやすいが、ところどころ慎重になる。崩壊地は迂回していった。
 東沢出合で沢に降りる。
 ここで沢靴に履き替える。東沢径路も普段なら足を濡らすことなく歩けるところだが、今回は水量も多いので、靴を履き替えて水の中を歩いてしまった方が早いだろうと思ったのだ。
 足を濡らさないように歩こうと思ったら、けっこう面倒なところだが、沢の中を歩いていくなら簡単である。ナメが多く、滝はあってもたいしたことない。快適なウォーターウォーキングである。

東沢
東沢は快適なウォーターウォーキング

 沢沿いにはシラヒゲソウもいっぱい咲いていた。

シラヒゲソウ
シラヒゲソウ

 二俣になり、右の沢に入ると、水量も少なくなってくる。
 左にぽっかり開いた穴から水が湧き出てくるところで休憩にして、靴を履き替える。これより上の沢に水流はないのだ。
 左手にひとつ深い谷を見ると、その先で左の斜面の踏み跡をたどっていく。

 ところで、いつも沢登りをする際は、沢登り中の荷物を少なくするためトレイル用のランニングシューズではなく、ロード用の軽いランニングシューズを履いていくのだが、今回はマイナールートで歩きづらいところもあるので、沢を歩いている最中は荷物になるが、トレイル用のランニングシューズを履いていった。普通のランニングシューズでは滑りやすいが、トレイルランニングシューズなら多少はマシなのだ。

 やがて東沢乗越に到着。ここに女郎小屋ノ頭方面の案内板があることを初めて知った。
 東沢乗越から同角沢に下り、遺言棚へ向かう。雨の少ないときは涸れてしまうところだが、今回は水量も多かった。
 左岸の巻道を下っていったのだが、以前よりもちょっときつかったような気がする。登山道ではないので、巻道の往復はそれほど楽なわけではないが、今回は滑らないように慎重に行かねばならなかった。以前は倒木なんかもあったような気がしたが、記憶違いだったのか?
 それはともかく、今回は遺言棚の水量も豊富で、迫力があった。ここを訪れるのは4回目だが、今回が一番水量が多くて迫力もあった。

遺言棚
遺言棚

 ゆっくりと遺言棚を見物した後、巻道を登り返し、それから同角山稜へ向かった。
 同角山稜への登りは踏み跡も不明瞭でちょっとわかりにくいところである。以前、ここを登ったときは、途中で道に迷って適当に登っていくと、明瞭な踏み跡に出たのだった。このルートの登りは今回が2回目となるが、逆ルートで下ってきたことは何度もある。このルートの場合、下りの方が道迷いが少ない。下の方に沢が見えてくるまでは踏み跡明瞭だが、最後の最後に不明瞭になるのだ。したがって、ここを登る場合、最初のほうがわかりにくいということになる。
 さて、今回は・・・
 取り付きにある木のテープを確認。見覚えのある木であり、ここに間違いない。そして、登っていくと、次々に目印のテープが見つかった。
 予想外に順調に進んだので油断したか、道に迷った。
 右か左か迷ったところで、キリヤマ隊長が右に登ってみる。方向的にはこちらだ。しかし、テープは見つからなかった。そこで、左に進んでいったのだが、完全にルートをはずれていくことになった。
 よくよく考えてみれば、いつももっと右の方を下ってきていたのだ。右の方には記憶に残っている地形があるので、右の方によっていけばわかったはずなのだ。最初にテープばかり探して、すっかり忘れていたのだった。
 道に迷ったので、とりあえず上へ上へと登っていくと、やがて明瞭な踏み跡に出た。まあ、このあたりは道に迷っても適当に登っていけば、やがて明瞭な踏み跡に出るのだが、やっぱり大失敗だったという悔いが残る。
 あとはひたすら踏み跡をたどっていって、同角山稜に出る。

 同角山稜は天気が良ければ主脈の展望がよいのだが、雲が多く、ちょっとガッカリだった。
 となると、あとは花を撮るだけである。同角山稜ではイワシャジンがいっぱい咲いていたが、カメラを出すのがちょっと遅かった。ザンザ洞のキレットで撮ればいいなんて思っていたら、失敗した。せっかくいい感じで咲いているところがあったのに。ザンザ洞のキレット付近にもあることはあったが・・・

タンザワヒゴタイ
タンザワヒゴタイ
イワシャジン
イワシャジン
アキノキリンソウ
アキノキリンソウ
シオガマギク
シオガマギク
ビランジ
わずかに残っていたビランジ

 時間があれば檜洞丸まで登りたかったのだが、案外時間がかかっており、余裕がなかったのであきらめて、中ノ沢乗越から沢沿いに下っていくことにした。この下降は問題となるようなところはない。足を濡らすこともなく、ひたすら下っていく。
 先日の大雨による崩落もあったようで、真新しい倒木があった。
 こんなところを歩く人などいないだろうと思ったのだが、こんなところでも真新しい足跡を見つけて驚いた。

 やがて中ノ沢径路に戻ると、朝来た道を引き返していった。
 ところどころで慎重に通過しなければならないところもあるが、歩きやすい水平径路の部分も多いところである。暗くなる前に下山しなければならないため、問題箇所以外は快適なペースで駆け下りていき、明るいうちに西丹沢県民の森にたどり着いたのだった。

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