当初の予定では沢に行くはずだった。
しかし、週間予報を眺めていて、今週もダメか・・・なんて思ったものだから、最初からあきらめてしまっていた。金曜日の夜になって、明日は晴れと言われても、沢歩きの装備がないことには話にならないのだ。それで、今回は今頃咲いている花を求めて、西丹沢の山を歩いて回ることにした。
朝は、晴れて富士山もよく見えたが、バスに乗っているうちにくもってきて、あっさり富士山は雲に隠れてしまった。
花が目的だったら、ツツジ新道を登るよりも、犬越路経由で行ったほうがいいだろう。
用木沢沿いの岩場にはケイワタバコが咲き、犬越路から先の稜線ではところどころでシモツケが咲き、アジサイの仲間もいろいろ咲いていた。花が落ちているので見上げれば、トウゴクヒメシャラはまだ花も残っていた。そして、山頂近くなると、バイケイソウがいっぱい咲いていた。
そんな感じで、案外いろいろと花が咲いているものである。
檜洞丸からの下山ルートは、当初の予定では、石棚山稜から西丹沢県民の森経由で玄倉に下山するつもりだったが、玄倉下山だったら、こっちのほうが見るべきものもありそうな気がして、同角山稜へ向かい、マイナールートをたどることにした。このルートもたびたび歩いているので、あまり迷うこともなくなってきた。同角沢に下るところは踏み跡も不明瞭になるから、逆ルートだとどこを登るのかわかりにくいだろうな〜とあらためて思う。
東沢乗越から東沢沿いに左岸と右岸を何度か渡り返しながら下っていって、小川谷までたどり着いたのは予定よりもちょっと遅かったので、この先はちょっと急ぐことにした。
崩壊箇所では上の方を迂回している人たちの声が聞こえたが、ロープを伝って崩壊箇所を横断して、先を急ぐ。西丹沢県民の森までひたすらトラバースルートである。日が傾いてくると、樹林の中は薄暗くなってくる。いくつか小沢を渡るが、その都度、対岸にある道を探しながら、小走りで進んでいった。そして、林道に出ると、走っていった。
5時台のバスは難しいかと思ったが、無理はしなかった。トイレにより、湧き水に立ち寄っていった。それでもなんとか5時台のバスに間に合った。玄倉のバス停でジュースを買って飲むと、まもなくバスがやってきた。(このバスが最終ではないから安心していたのだが、あとになって17時31分のあとの最終バスは19時24分と知って、間に合って良かったとつくづく思った。2時間近く間があいているとは思わなかったのだ。)
というわけで、今回見かけた花をいくつか。
ネジバナは、ランの仲間にしては珍しくというか、その辺の道端にも咲いていたりする。
用木沢沿いの岩場にはケイワタバコがいっぱい咲いていた。
毛のないイワタバコが咲くのはもう少し咲きだろうか。
トウゴクヒメシャラは、けっこう花が落ちており、それに気づいて見上げると、まだけっこう花がついていた。トウゴクヒメシャラかヒコサンヒメシャラか気になっていたので、葉っぱを手に取ってよく見たら、葉の下面中脈には確かに毛があった。ということは、やっぱりこれはトウゴクヒメシャラということだろう。
ヤマアジサイ、コアジサイ、ツルアジサイとアジサイの仲間がけっこう咲いていたが、なかでもツルアジサイが大木にまつわりついて、いっぱい咲いていたようである。
山頂付近はバイケイソウがいっぱい。今年は花付きが良いようで、山頂の東側(青ヶ岳山荘側)は一面バイケイソウだらけだった。
チダケサシの仲間のようだけど、アカショウマとは違うと思う花がけっこうあちこちで咲いていた。それで、とりあえず1枚写真を撮っておいて、調べてみたら、どうやらフジアカショウマのようです。
お馴染みのヤマオダマキも咲いていました。
夏にわりとよく見る気がするが、写真を撮っていなかったような気がして、これもとりあえず撮っておいて調べてみたら、ヤハズハハコだった。
シモツケは稜線上のあちこちで咲いていた。ピンクの花なので、目につきやすい。
ギンリョウソウは初めて見たときはけっこう大喜びしたものだが、しょっちゅうあちこちで見ているうちに、あまり気に留めなくなってしまった。それでも、白くきれいに咲いていたので、撮っておいた。
最後にもうひとつおまけ。
花が黒っぽくなっていてガッカリだったのだが、これってキバナノショウキランみたい。
う〜む。せっかく「見つけた!」と思ったのに、ちょっと残念。
来年もまた同じ場所に咲いてくれるだろうか?