今日は空気が澄んでいないから、展望を期待してもしかたがない。
渋沢から丹沢の山並みは見えなかった。ガスがかかっていた。これは霧氷が付いていそうだぞ。
11日は雨で、雨氷が付いたとかで、その後、雪が少し降ったということだが、今朝もガスがかかっているなら、雨氷だか樹氷だかも落ちていないだろう。
大倉入口のあたりはまったく雪はなかったが、大倉まで行くと、雪が積もっていた。
山にはガスがかかったままだが、麓付近のガスが晴れてきて、白くなっているのが見えた。
これは最初から期待大である。
朝のうち霧氷が付いても、日が差すと落ちてしまい、お昼頃に登っていってもすっかりなくなっているというのはよくあることだが、朝のうちガスがかかっていて、登っていくうちに晴れてくるというパターンは日帰りの登山者にとっては最高のパターンではないか。
普段はおもしろみのない大倉尾根も雪が積もればちょっと楽しくなる。
木の枝に積もった雪が落ちてくるので、すでに大勢登山者が歩いているはずなのに、サラサラした雪が覆い隠しにかかる。
見晴茶屋のあたりからは完全に雪道になったが、積雪はわずかだった。ぐちゃぐちゃにはなっていなかったから、まずは快適な道だった。
登っていくうちに、ガスも上がっていっているようで、期待は高まる。
花立からはカメラを持って写真を撮りながら登っていくことにした。
あたりの木々はすべて氷や雪が付いて白くなっている。近づいてよく見ると、木の枝には透明な氷がついており、その上に雪が付いているようだ。透明な氷というのが雨氷だったのだろう。そして、雨氷の上に雪が付いたか。あるいは、今朝もガスがかかっていたから、霧氷も付いたのか? とにかく、どこもかしこもそんな状態だった。
木の枝は氷や雪の重みに垂れ下がる。垂れ下がった枝同志が触れ合うとカラカラと音をたてる。
積雪はほとんど大したことはなく、塔ノ岳の山頂までずっとせいぜい5cm程度だった。今回も、迷ったあげく、登山靴を履いていったのだが、この程度だったら登山靴でなくてもよかったな。しかし、雪が少ないので、かえって歩きにくかった。もう少し雪が多ければ、滑る心配もなく歩きやすかっただろうに。かえって、軽アイゼンをつけたくなるような状態で、花立の先の馬ノ背のロープ設置箇所は慎重に歩かなければならなかった。
塔ノ岳の山頂からは丹沢山、蛭ヶ岳、檜洞丸などの山並みが見えたが、富士山は雲がかかって見えなかった。表尾根や大山のあたりにはまだ雲があったが、しばらくすると雲も取れたようだった。
周辺の山はすべて雨氷や樹氷がついているのがわかった。
昼食を食べていると、日も差してきた。
晴れとくもりでは大違い。くもった日の雪景色はモノトーンの世界となり、しんとして静かではあるが、やはりちょっと物足りない。やはり晴れて青空をバックにしてみた方が数倍良い。特に、木に氷が付いたようなときは、日の光を反射してキラキラ光って美しい光景を見せてくれる。
今回はくもり後晴れという最高のパターンになったと思った。
・・・が、しかし、一時、日が差したものの、すっきりと晴れてはくれなかった。
写真を撮りながら、塔ノ岳から鍋割山まで歩いて行ったが、ときおり薄日が差した程度で、再びくもってしまったのだった。
鍋割山稜も一様に木々に雨氷や樹氷がついていた。
よく見ると、幹のまわりに透明な氷がついている木もあった。
このあと、鍋割山で休憩してから下山。
今回は毎度お馴染みのルートであり、積雪も思ったほどでなかったが、雪景色は大いに楽しむことができた一日だった。