快晴の天気を期待していたのだが、出かけてみれば、案外雲が出ていた。それでも、小田急の電車からは富士山が眺められたので、なんとか山頂に着くまでもってほしいと思ったのだが・・・
大倉から西山林道を走っていくと、二俣より上でまだまだきれいに紅葉していた。
林道終点まで着いたときには、なんだか雲が多くなっており、山頂からの展望も期待できない。
ペットボトルを片手に山頂まで上がれば、伊豆大島、利島、新島、江ノ島、房総半島など、それなりの眺めではあったが、富士山にはかなり雲がかかっていまいちだった。
鍋割山荘で昼食をとった後、塔ノ岳へ向かったときは、何を期待するでもなかった。
が、出発して間もなく、北側が開けたところで塔ノ岳から蛭ヶ岳への稜線が白くなっているのが見えた。霧氷である。丹沢山〜蛭ヶ岳は笹原が多いが、塔ノ岳から丹沢山までは樹林も多いので、けっこう白くなっていた。日高あたりがよさそうに見えた。
午前中、案外雲が多かったので、その際に霧氷が付いたのだろう。もうすっかり晴れているので、のんびりしていると消えてしまうかもしれないと思い、塔ノ岳へと急いだ。
大丸や金冷シのあたりには霧氷はなかったが、金冷シから塔ノ岳の山頂へ登っていくと、途中から霧氷が付いていた。カメラを出して、写真を撮りながら登っていった。
塔ノ岳の山頂で写真を撮ると、丹沢山への登山道を歩いていった。こちらのほうがよく付いていると思ったからだが、実際そのとおりだった。
塔ノ岳からひと下りして、開けた場所から丹沢山方面を眺めると、霧氷は稜線西側の高いところにだけ付いているのがわかった。稜線の西側も均質に付いているのではなく、むらがあるようだ。
ゆっくりと、あちこちで写真を撮りながら歩いていった。
振り返れば、霧氷が逆光に輝いている。
塔ノ岳から日高へ歩きながら、何度も塔ノ岳を振り返ってみた。本当に見事な霧氷に見とれてしまった。
当初の予定では、宮ヶ瀬方面に下るつもりだったのだが、なんだかこのまま行ってしまうのがもったいなかった。霧氷自体はそれほど珍しいものでもないが、これだけいい条件で見られることはなかなかないことである。せっかくの機会なので、日高から引き返して、思いっきり写真を撮ることにした。
日高から塔ノ岳へ引き返す際は、望遠レンズで撮ってみることにした。
時間に余裕のあるときは大倉尾根を下ったりはしないのだが、今回は霧氷に満足しきってしまったので、もうさっさと帰ろうと思った。あれだけ登山者が多く、整備された登山道で、しかも歩きにくいというのも珍しいのではないか?
12月7日は冷え込んだが、快晴で、この日に登っていれば、富士山を始め南アルプスや八ヶ岳など、くっきりと見えたことだろう。週間予報を見ていて、当初は7日に登ろうと思っていたのだが、5日の夜の予報を見て、6日もよさそうだからと予定変更したのだった。結局のところ、7日の方がずっといい天気になった。普通だったら、6日に変更したことを後悔するところである。が、しかし、今回は6日に登ったおかげで、きれいな霧氷を見ることができたのだった。