戸川林道でテンが倒れていた。まだ生きており、足をピクピクさせていたが、体を動かすことはできないようだった。車に轢かれたのだろうか? かわいそうだが、私にはどうすることもできない。
源次郎沢出合から書策新道を登っていく。途中の木橋は丸太の数が増えて歩きやすくなっている。本谷F5付近の崩壊地は相変わらずよくないが、ロープが設置されているから問題なく通過。
そして、F5の上で書策新道とは分かれて、本谷を歩いていくことにした。
本谷を遡行していくと、シカが倒れていた。こちらは死んでいたようであり、さっさと通過。どういうわけか、今日は、テン、シカと立て続けに動物の死体に遭遇。(テンは生きてたじゃんか。)自分もそんな目に遭わないように気をつけていくことにした。
沢が右に曲がるとまもなく左から沖ノ源次郎沢が出合う。
しかし、沖ノ源次郎沢は涸沢ということもあって、いつも写真も撮らずに通過していたのを思い出して、今回は写真を撮っていった。沖ノ源次郎沢は出合からいきなり大きな涸滝である。
沖ノ源次郎沢出合のすぐ上で正面から木ノ又大日沢が合わさり、本谷は左に折れる。
左に曲がるとすぐにF6となる。
が、その前に、あちこちでイワシャジンが咲いていたので写真を撮ることにした。もう、けっこう咲いているだろうと思って、今回は沢を歩くことにしたのだった。
そして、本谷F6。今日は普段より水量豊富だった。
F6の先の次に現れる小滝も、その次のF7も普通に登る分には難しいところではないが、靴を濡らさずに登ろうとすると、面倒なことになる。巻くよりも直登するほうが楽なので、沢歩きの用意をしていくべきだった。
F8の下は8月下旬に訪れればビランジがあたり一帯で咲き乱れているところだが、さすにがもう終わっていた。それでも、わずかに残っているのを見つけて、写真を撮った。
朝のうちは快晴でも、F8に着く頃にはすっかりガスがかかってしまい、写真もいまいち。
F8の巻道はロープも設置されており、さほど問題なかった。
F9を右から巻いて登れば、まもなく水も涸れ、ガレ場に出た。
ガレ場を登って、傾斜がきつくなってきたところで、左の樹林帯に入って登っていけば、次第に踏み跡も明瞭になって、やがて表尾根の登山道にひょっこり飛び出した。そして、ひと登りで塔ノ岳の山頂である。
ガスがかかっていて、山頂からの展望は望めなかったが、尊仏山荘でビールを飲んだりしている間に、ガスが晴れると富士山が現れた。
晴れたと思っても、すぐまたガスがかかってしまうのだが、何度か見え隠れしていたから、とりあえず写真を撮ることはできた。
その後は、いつものように鍋割山経由で大倉に下山したが、富士山は隠れたままで、あまり見るべきものもなかった。