台風一過で晴れて暑くなりそうだった。この夏は、天気が安定せず、夏空が広がるところをほとんど見ていない。しかし、今回は、ようやく夏らしい日になりそうだし、山へ行かない手はない。最高気温が35℃などという暑さが予想されるので、本当は涼しく沢を登っていきたいところだが、昨日の台風による雨のため、沢は確実に増水しているはずなので、今回は暑さを覚悟の上で、大倉尾根を登っていくことにした。
小田急の電車から見ると、大山や丹沢の上には雲がかかっていた。よくあるパターンだが、天気がいいからと山へ行っても、山には雲がかかっていて、何も見えないということになりそうだった。今回はホームページに掲載する写真も撮れないかと思ったが、まあ、雲がかかっているということは涼しいということだから、それはそれで歓迎すべきか?
大倉尾根の前半の登りは木陰の中を登っていくので、炎天下の街中を歩くことを考えれば、よっぽど楽なはずである。もちろん、走って登っていったので、かなりの汗をかいたし、暑い分、ペースも遅かった。大倉尾根できついのは後半の階段だが、このあたりまで来ると、もはやくもっていて、直射日光を受けることもなかったので、さほど暑くはなかった。
塔ノ岳〜竜ヶ馬場では、コエゾゼミがけっこういっぱい鳴いていた。コエゾゼミの鳴き声は「ジー」という鳴き声だが、アブラゼミのようないかにも暑苦しい鳴き方ではなく、わりと低い声で「ジー」と単調な鳴き方をする。その他、アサギマダラやミヤマカラスアゲハ(カラスアゲハだったかもしれないが、ヒラヒラ飛んでいるのを見ただけでは簡単に区別できない)なども飛んでいた。
出発前は相当暑い思いをすることを覚悟していたが、実際のところ、今回もやっぱり涼しかった。午後2時過ぎ、塔ノ岳山頂の気温は20℃だった。
今回は、塔ノ岳〜丹沢山を往復したら、珍しく大倉尾根を下りるつもりだった。7/19には、そう思いながらも、自然と足が鍋割山稜に向かってしまったのだが、今回は本当にまっすぐ下りてしまうつもりだった。そして、塔ノ岳を出発したのだが、今回は自然と足が表尾根に向かってしまったのだった。そして、書策小屋まで下りてくると、さっさと書策新道を下っていったのだった。(今回は沢が増水しているからこそ、沢沿いのコースを避けて、大倉尾根を登っていったというのにである。)書策新道を下り始めると、まもなく、沢の音が聞こえてきた。いつもより水が多いためである。それでもそのまま下っていき、セドノ沢もいつになく水量が豊富だったが、問題なく、通過。本谷も問題なく通過。本谷F5付近の崩壊地はいつもと変わりなかったが、その少し先で新たに崩壊しているところがあった。問題なく通過できたが、歩き慣れない人は注意が必要である。
夕方、大倉からは大山や三ノ塔などよく見えた。夕方になって晴れてきたのだった。塔ノ岳の山頂付近にはまだ雲が残っていたが、しばらくすれば取れそうだった。電車の中からは、富士山も見えた。よくあるパターンだが、まあ、こんなものである。