南アルプス・塩見岳〜北岳(3)

日付 :2010/07/19
コース:北岳山荘→北岳→肩ノ小屋→白根御池小屋→広河原

 キタダケソウは北岳でしか見られない花である。
 花期は梅雨の真っ最中で、夏山シーズンには終わってしまっているから、見ようと思ったら梅雨の時期に登らなければならない。だから、今の時期に登ってキタダケソウを見たいなどとは最初から期待するはずもなかった。
 ところが、今年はまだ花が咲いているという。
 何たる幸運!
 これは是が非でも見たいと思った。

 さて、北岳山荘ではほとんどまともに眠れなかった。
 3時半頃からは出発の準備をする人も多く、がやがやとしていた。早出するということは間ノ岳へ向かう人も多かったのだろうが、私は北岳に登って帰るだけだから急ぐ必要もない。のんびりしたものだった。

日の出前の富士山
日の出前の富士山(北岳山荘の部屋の窓から)

 朝食(1回目)が終わって部屋へ戻ると、そろそろ日の出だった。以前泊まった経験から、日の出が見られないことはわかっていた。手前の山が邪魔してしまうのだ。

日の出
日の出(左の山は八本歯ノ頭)

 ゆっくりと出発の準備をした。天気は良かったが、風が強くて、肌寒かったので、レインウェアを着ていくことにした。
 5時24分、北岳山荘を出発。
 まっすぐ北岳に登らず、トラバースルートを行った。キタダケソウがトラバースルートに咲いていると聞いていたからである。具体的にどこに咲いているのかはわからないが、登山道沿いにあり、けっこう多くの登山者が見ているということは、探すのにさほど困難はないだろうと期待できた。ハクサンイチゲを識別できればOK・・・だろうか? とにかく、注意して歩いていった。
 北岳は本当に花が多い。私の好きなミヤマオダマキもあちこちで咲いていた。
 しばらく行くと、白い花が咲いているのを見つけた。ハクサンイチゲではない。初めて見る花だった。たぶんこれだろうと思って、写真を撮った。
 後から来た人に「キタダケソウですか?」と聞かれても「たぶん」としか答えられなかったのだが、さらに行くと、今度はいっぱい咲いていた。この時点ではもうすっかり確信に変わっており、こっちにはいっぱい咲いていると教えると、喜んでいた。

キタダケソウ
キタダケソウ

 八本歯ノコルから山頂へ向かうルートに出ると、ちょっと急な尾根を登っていった。
 吊尾根分岐から山頂までは大勢の登山者で列ができていた。キタダケソウはトラバースルートにしか残っていないと聞いていたが、山頂へ向かうルートでも1輪それらしき花を見かけた。
 6時29分、北岳山頂に到着。
 晴天に恵まれて、素晴らしい展望だった。富士山の左の方には丹沢山塊も確認できた。

富士山
富士山(わかりにくいが左の方には丹沢山塊も見えた)(トラバースルート経由の登りで)
間ノ岳
間ノ岳(北岳山頂から)
鳳凰三山
鳳凰三山(奥に見えるのは奥秩父の山並)

 山頂からの展望を楽しんだ後は、仙丈岳と甲斐駒ヶ岳を眺めながら肩ノ小屋へと下っていった。

仙丈岳と甲斐駒ヶ岳
仙丈岳と甲斐駒ヶ岳

 さらに小太郎尾根分岐まで下ったところで、レインウェアを脱いだ。

甲斐駒ヶ岳と八ヶ岳
甲斐駒ヶ岳と八ヶ岳(右)(小太郎尾根分岐から)

 ここから広河原への最短ルートは右俣を下っていくルートだが、今回は草スベリを下っていくことにした。右俣は下ったことがあるが、草スベリは歩いたことがなかったからである。
 草スベリを下っていくうちに暑くなった。稜線と違って風もないのだから、しかたがない。下の方に白根お池が見えてきても、たどり着くまでにはけっこう時間がかかった。

白根お池と北岳
白根お池から北岳を望む

 ようやく降り立った白根御池小屋でちょっと休憩。ここでは大勢の人が休憩していた。
 あわてて下山することもなかったが、かといって意味もなくのんびりしていてもしかたがないので、広河原へ向けて出発。
 樹林帯に入ると、ちょっと涼しくなってホッとする。登山者の姿も少なくなり、静かな登山道をのんびり下っていった。
 急登はここまでという標識を過ぎると、急な下りが始まった。かなりの急斜面である。後から人がやって来たのを機にちょっとだけペースを上げて下っていった。
 やがて、大樺沢のルートに合流。いくつか小沢を渡って、広河原へ下っていった。
 広河原山荘で冷たいものでも買おうかと思ったがとりあえずバス停まで行くことにした。

北岳
北岳(大樺沢出合から)

 9時39分、広河原のバス停に到着。
 ここに来るのは1年ぶりだが、またまた様子が変わっており、バスターミナルとして整備されていた。甲府行きのバスを待つ列の最後尾に荷物を置き、しばらく待つことになった。トイレに行った後、売店で冷たいものを買おうと思ったら、近くに売店はなかった。以前はあったような気がしたのだが・・・

 10時20分発の甲府行きのバスに乗るのにしばらく待たなければならなかったが、タイミングとしては悪くなかったようである。これを逃せば次のバスは12時30分だったのだ。それに、甲府行きのバスは2台出たのだが、乗客が多くて全員は座れなかったのだ。甲府まで2時間立ちっぱなしというのはつらいところである。もう1台出してくれれば楽だったのだが、遅く来た人たちはかわいそうだった。
 バスは最初から混んでいたので、車掌さんもたいへんだった。混んだ車内を後までいって、一人ずつ切符を売るのだから。そして、混んでいたせいかバスの発車もけっこう遅れた。
 途中の駐車場で降りる人もいたが、途中のバス停から乗ってくる人もいたので、最後までバスは混んでいたのだった。

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北岳山荘(5:24)→北岳(6:29-6:38)→肩ノ小屋(7:04)→小太郎尾根分岐(7:19-7:25)→白根御池小屋(8:12-8:16)→広河原(9:39)

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