薬師岳・黒部五郎岳

日付 :2009/08/08
コース:太郎兵衛平→薬師岳→太郎兵衛平→北ノ俣岳→黒部五郎岳→黒部五郎小舎

 2日目の朝もポツポツと小雨模様。
 やっぱり雨か・・・
 長い距離を歩くことを考えると、早めに小屋を出発したいところだが、あいにく朝食は2回目で5時半頃からだった。お弁当にしてもらうべきだったかもしれないが、いまさらどうにもならない。まあ、どうってことないでしょ。
 せっかく乾かしたものの、また朝からカッパを着ていくことになった。登山靴は、中敷きだけ最初に乾かしておいたし、ストーブでなんとか気にならない程度に乾かすことができた。

 そんなわけで、6時9分、さえない天気の中、太郎平小屋を出発。
 薬師岳への道は、沢の徒渉が問題とかいう話が聞こえていたので、どうかとも思ったが、とりあえず行ってみることにした。
 木道を歩き始めて間もなく、向こうから来る人たちとすれ違うため、脇によって待っていたら、以前同じ職場にいたSさんに会ってびっくり。さすがに人気の北アルプス、知り合いとばったり会うこともあるものだ。
 薬師峠から薬師平への登山道は沢沿いで、登山道を水が流れていたが、大したことはなくて問題なく通過。
 チングルマやハクサンイチゲなどのお花畑があったが、いまいちの天気のためあまり写真も撮らずに先を急いだ。
 薬師岳山荘を越え、山頂目指して登っていくと、いつしかざくざくした登山道に変わり、雨も上がった。
 そして、避難小屋跡とケルンのあるピークに到着。ガスっていたので、一瞬、山頂かと思ったが、山頂の標識はない。そこから更に先へ進み、山頂標識と薬師如来像の祠がある薬師岳の山頂に到着。ガスがかかって、展望なし。

薬師岳山頂
薬師岳山頂

 何も見えないし、先は長いので、太郎平小屋まで来た道を急いで下っていくことにする。
 でも、ふと見れば、登山道脇にヨツバシオガマがきれいに咲いていたので、写真を撮る。

ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ

 下りは早い。
 ざくざく踏みしめて、ぐんぐん下っていく。
 薬師平近くまで下ってくると、ガスが晴れてきた。そして、日も差してきた。天気予報がはずれて晴れたのだ!

お花畑
日差しを受けるお花畑

 しかし、喜んだのも束の間、再びガスがかかり、太郎平小屋に戻ったときは曇り空だった。
 太郎平小屋から先、黒部五郎小舎まで山小屋はないので、ジュースを買って休憩。

 太郎平小屋からしばらくは木道が続く。湿原にお花畑、傾斜がなだらかな歩きやすい道が続き、実に私好みの道である。目の前の木道に雷鳥親子が現れて、トコトコと歩いていった。

雷鳥
木道を行く雷鳥親子

 太郎平小屋に泊まって黒部五郎岳へ向かった人たちは私より3時間早く出発しているから、たま〜に人に会う程度だった。
 このコースは危険な岩場などなく、お花畑が多いコースである。当たり前のようにあちこちにお花畑があり、花を楽しみながら歩いていく。

お花畑
この辺もあたり一帯、お花畑

 晴れていれば展望の良いコースだが、あいにくガスがかかっているのが残念なところ。ときおり、ガスが少し晴れて水晶岳のあたりが見えたが、すぐにまたガスがかかってしまった。
 雨がポツポツ降ってきたので、北ノ俣岳でカッパを着た。ここには数人休憩していた。向こう側来る人たちとときおりすれ違った。
 雨になると、写真も撮らず歩いていくだけになるのはいたしかたない。それでも、たいした降りではなく、しばらくするとやんでくれた。

中俣乗越とP2578m
中俣乗越を見下ろす。向こうに見えるのはP2578m。

 中俣乗越を越え、P2578mへ登っていく途中で、休憩。軽い昼食にした。このあたりでカッパやザックカバーはしまうことにした。
 この先もまだしばらく稜線歩きが続いたが、やがてガラガラの急な登りに変わった。
 どうやら、黒部五郎岳への登りになったようである。すでに長いこと歩いてきているので、ペースも落ちて、長く感じられる。頂上は見えてこないが、とにかく登っていくと、やがて、黒部五郎の肩に到着。山頂を経由して尾根伝いに黒部五郎小舎へ続く道とカールを通っていく道の分岐になっているところで、カールを見下ろせた。山頂まではもう一息である。
 そして、黒部五郎岳の山頂に到着。晴れていれば大展望の山頂らしいが、ガスはようやく晴れ始めてきたところで、まだまだガスが多く、周囲の山は見えなかった。それでも、眼下にカールを見下ろせたのがうれしい。

黒部五郎岳からカールを見下ろす
山頂から見た五郎のカール

 黒部五郎岳から黒部五郎小舎へは稜線ルートとカールを下るルートの2つあるが、当然のごとく、カールを下ることにする。山頂から先ほどの肩へ戻り、カールを下っていく。
 次第にガスが晴れてきて、鷲羽岳が見えた。本日の目的地黒部五郎小舎も見えて、もう少しという感じである。

五郎のカールから鷲羽岳
次第に晴れてきて、鷲羽岳も見えた

 カールの登山道はコバイケイソウを始めとしたお花畑を通っていく素晴らしいルートだった。
 水も豊富で、冷たい水で手や顔を洗った。(翌日会った人の話では、昔はここでテントを張ることができたということだった。お昼頃にここに着いて、あまりに良い場所に、ここでテントを張ってのんびり過ごしたとか。)

黒部五郎岳(カールから)
カールを下っていくとコバイケイソウがいっぱい
カールのお花畑
カールのお花畑を行く

 カールの登山道を歩いていくと、水晶岳や鷲羽岳も眺められた。(4年前に縦走した懐かしい山である。)

水晶岳・鷲羽岳の眺め
五郎のカールから水晶岳と鷲羽岳
五郎のカールを振り返る
去りがたい五郎のカール

 五郎のカールを去るのが惜しい気がしたが、あまりのんびりもしていられないのでしかたがない。
 黒部五郎小舎は上から見えていたし、もうすぐかと思ったが、歩いてみれば、ななかかたどり着かない。思いの外、長く歩かされることになったのだった。

 五郎のカールは素晴らしいところだった。もしも、ここでガスがかかり、雨が降っていたら、ただただ黒部五郎小舎目指して歩くだけに終わったかもしれない。しかし、時間が遅かったおかげで十分に楽しむことができた。昨日、「北陸」が遅れたおかげとも言える。

 明日から天気も良くなる・・・そう期待していたのだが、天気予報を見ると、やっぱり明日も傘マーク。もともと今回は週間予報で晴れマークが並んでいるのを見て、3泊4日のコースを設定したのに・・・

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