夜行日帰りの至仏山

日付 :2008/08/17
コース:鳩待峠→山ノ鼻→至仏山→オヤマ沢田代→笠ヶ岳→オヤマ沢田代→鳩待峠

 夜行高速バスを初めて利用してみた。
 仕事帰りとか山帰りなど疲れている時なら、あっさり眠ってしまうが、夜行電車でもほとんど眠れないのだから、夜行バスなど眠れるわけがない。電車よりも窮屈で、これは私には向いていないと思った。
 しかし・・・時期的にピークを過ぎており、利用者は予想外に少なかった。私を含めて乗客はたったの4人。小さなバスだが、ガラガラである。それで、通路を挟んで隣側の席に足を伸ばし、横になることができた。リクライニングで体を倒したところで、たいして楽にならないが、横になればけっこう楽である。

 夜中にはけっこう雨が降っていたようだが、尾瀬戸倉に着く頃には雨もやんでいたようである。バスは尾瀬戸倉から大清水に向かい、2人が降りた。大清水から尾瀬戸倉に戻り鳩待峠へ向かう間にお弁当を食べておく。鳩待峠でトイレに寄ったあと、すぐ出発できるようにしておいた。

 5時25分、鳩待峠を出発。山ノ鼻へ向かって、木道を下っていく。尾瀬ヶ原を訪れるハイカーでにぎわう道も早朝はまだ歩く人も少なく静かだった。川の流れる静かな森の中を歩いていく。
 6時10分、山ノ鼻に到着。帰りのバスの時間が決まっており、早く戻っても待つ時間が長くなるだけなので、ゆっくり行くことにした。それで、研究見本園にちょっと寄ってみたら、コバギボウシ、コオニユリ、サワギキョウなどの花が咲いていた。

コバギボウシ
コバギボウシ
コオニユリ
コオニユリ
サワギキョウ
サワギキョウ

 6時31分、山ノ鼻を出発。研究見本園を少し行くと、左に至仏山への登山道が分岐しており、ここから登り始める。なお、山ノ鼻〜至仏山の登山道は登りのみの一方通行となっていた。
 昨夜の雨のせいで、至仏山への登山道は川のように水が流れていた。(さすがに上の方ではなかったが、中盤までは小沢と化していた。)
 しばらく登っていくと、ガスが晴れてきて、尾瀬ヶ原を見下ろすことができた。

尾瀬ヶ原
尾瀬ヶ原が見えてきた

 時間とともに晴れてくるようで、空を見上げれば切れ目も見えた。
 今回は日焼けの心配もないと思っていたが、日も差してきたりして、案外良くなりそうだった。

尾瀬ヶ原
次第に晴れてきて、尾瀬ヶ原もよく見えた。

 至仏山東面登山道は泥がこびりついたような茶色い蛇紋岩でできており、この岩が滑りやすいことから、クサリが設置されているところもあった。至仏山は蛇紋岩でできているために珍しい植物が多いが、森林限界は周辺の山よりもかなり低くなっているらしい。

蛇紋岩
登山道上部は蛇紋岩が多い

 山頂に着く頃には燧ヶ岳の方まで見えるかと期待したのだが、高天原のあたりまで登ると、ガスがかかってしまった。
 8時37分、至仏山に到着。
 ガスがかかって、ほとんど展望なし。鳩待峠を見下ろせた程度だった。

至仏山の山頂
至仏山山頂

 東面登山道ではヒメシャジン、ミネウスユキソウ、ウメバチソウなどの花が見られた。

ウメバチソウ
ウメバチソウ
ミネウスユキソウ
ミネウスユキソウ
ホソバコゴメグサ
ホソバコゴメグサ
イワショウブ
イワショウブ
ヒメシャジン
ヒメシャジン

 また、高山蝶のベニヒカゲが飛んでおり、写真を撮っていると、靴紐にまでとまったりした。

ベニヒカゲ
ベニヒカゲ

 8時50分、至仏山を出発。
 東面登山道は会う人も少なかったが、鳩待峠からやって来る人とけっこうすれ違った。小至仏山へ向かう途中で、一度ガスが晴れて西側のならまた湖のほうを見下ろすことができたが、すぐにまたガスがかかってしまった。
 9時21分、小至仏山に到着。相変わらずガスがかかっていて、展望なし。
 小至仏山からしばらく下っていくと、再び尾瀬ヶ原が見えた。燧ヶ岳も上の方は雲がかかっているが、下の方は見えている。燧ヶ岳も至仏山も上の方はまだ雲がかかっているが、もうしばらくすれば山頂まで見えるようになるのでは・・・と思った。

尾瀬ヶ原と燧ヶ岳方面の眺め
尾瀬ヶ原と燧ヶ岳が見えてきた。(小至仏山〜オヤマ沢田代)

 9時44分、オヤマ沢田代の分岐に到着。時間的に余裕があったので、笠ヶ岳へ向かうことにした。
 笠ヶ岳への登山道はなだらかな道だったが、雨のせいでグチャグチャになっているところが多かった。開けた部分もあるが、樹林帯の部分が多く、あまり見るべきものもなかった。
 しばらく歩いた後、前方に笠ヶ岳が見えた。山頂はガスがかかっていたが、案外尖っていて良い形の山ではないか。(ということは、山頂への上りはちょっときついということになるのだが。)

笠ヶ岳
笠ヶ岳

 さらに歩いていって、笠ヶ岳の手前で開けた斜面になり、もう終わったと思っていたニッコウキスゲがまだあちこちで咲いていた。こちらまで来た甲斐があったというものである。

ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲ
ハクサンフウロ
ハクサンフウロ

 笠ヶ岳の山頂へはまっすぐに登るのではなく、左を巻いていって、片藤沼との分岐点まで行ってから戻るような感じで山頂への急斜面を登る。
 10時52分、笠ヶ岳山頂に到着。
 晴れていれば、360度の展望が得られるところだが、残念ながらいっこうに晴れてはくれず、片藤沼のあたりを見下ろせた程度だった。
 10時56分、笠ヶ岳を出発。
 下り始めてまもなく、霧雨になった。ほとんど気になるような雨ではなかったが、急いで帰ることにした。
 オヤマ沢田代の少し手前でちょっと雨が気になってきたので、ザックカバーをかけることにした。まだ雨具を着るほどではなかった。
 11時57分、オヤマ沢田代の分岐に到着。

オヤマ沢田代
オヤマ沢田代

 オヤマ沢田代から鳩待峠へ向かう途中、次第に雨は本降りになってきたため、大木の下で雨具を出して着ることにした。雨は、その後、小降りになり、たいしたことはなかった。
 12時48分、鳩待峠に到着。

 鳩待峠で昼食を食べているうちに天気は回復してきて、そのうちまた日も差した。
 帰りのバスはさすがにガラガラなどということはなかった。
 関越自動車道にはいると、いきなり渋滞に巻き込まれた。帰省のUターンで混むなんてわかりきったことなのだから、日程をよく考えるべきだったか?


鳩待峠(5:25)→山ノ鼻(6:10-6:31)→至仏山(8:37-8:50)→小至仏山(9:21)→オヤマ沢田代(9:44)→笠ヶ岳(10:52-10:56)→オヤマ沢田代(11:57)→鳩待峠(12:48)

丹沢・駆け巡り > 山行記 > 2008/08/17(夜行日帰りの至仏山)