南アルプス南部縦走1(千枚小屋まで)

日付 :2005/08/27(1日目)
コース:椹島→千枚小屋

 昨年計画しつつ行けなかった南アルプス南部の山。
 今年こそ行きたいと思っていたが、8月中旬から天気がパッとしない。
 アクセスが不便で、9月になると路線バスが1日1本となるから、8月中に行けなければ、今年も中止にするつもりだった。しかし、8月の終盤、台風11号が通過した後は晴天が続くという予報。最後にチャンスが訪れた。
 2泊か3泊かで迷ったが、2泊だと荒川三山と赤石岳をまわるだけで、ちょっと物足りない。3泊すれば聖岳へ行けるし、茶臼岳にも行けるかもしれない。縦走を楽しむなら、当然3泊である。

 路線バスは、8月中旬までは1日3本だが、下旬は2本になる。2本目のバスに乗っていったのでは、初日は椹島泊まりとなってしまうので、1本目のバス(8時8分発)に乗ることにする。朝早いので、新幹線に乗っていくが、さすがに新幹線は早い。自由席も空いていて、余裕があるから、北アルプスなどへ行く際に乗る特急あずさとは大違いである。
 静岡駅で降りると、バス乗り場へ急ぐ。当然、同じバスに乗る登山者は他にもいるが、北アルプスなどと比べたら全然少ない。
 列を作って並んでいると、しずてつジャストラインのおねーさんが秤を持ってやってきた。バスに乗る前に、まず荷物の重さを量る。10kg以上の荷物は運賃の半額の料金がかかるのだ。しかし、私の荷物は見ただけで明らかに10kgもなかったので、荷物の料金不要の紙切れを受け取った。畑薙第一ダムまでの運賃は2550円だから、荷物が多いと、さらに1280円かかるわけで、往復すればかなり大きな差になる。
 バスは空いていたので、荷物は隣の席に置いた。
 静岡駅から畑薙第一ダムまでは3時間半近くかかるので、途中、横沢でトイレ休憩があった。また、井川駅前でもう一度休憩。片道3時間半ということは、運転手さんも車掌さんも1回行って帰ってくれば1日のお仕事は終わりということになる。
 東海フォレストのバスに乗る人は畑薙第一ダムの少し手前の駐車場で乗り換える。
 東海フォレストの送迎バスは、東海フォレストの経営するロッジや山小屋で宿泊(テント泊は除く)する人を対象にした無料送迎バスであり、入山時は宿泊の前金として宿泊施設利用券(3000円)を買って乗ることになる。下山時は、宿泊した際の領収書を見せて乗ることになる。
 畑薙第一ダムの先でゲートがあり、未舗装の道を椹島まで行くのだが、椹島まで約1時間かかる。椹島は、もう本当に秘境と言ってもいいくらいの奥地である。
 静岡駅を8時過ぎに出発して、椹島の到着時間は12時半頃となる。この時間から千枚小屋や赤石小屋などに登ろうとする場合、コースタイムどおりに歩いていたのでは夕食の時間に間に合わない。したがって、9人か10人乗っていたうちの半数は椹島泊まりだった。
 しかし、初日が椹島泊まりと稜線上の小屋泊まりでは2日目以降の行程に大きな差が出てくる。また、椹島の標高は1120mだから、悪沢岳や赤石岳との標高差は2000mもある。だから、できることなら初日に稜線上の小屋まで登っておきたい。そういうわけで、当然のごとく、私は千枚小屋を目指して登っていく。

 椹島から千枚小屋までは距離にして9km、標高差1500m、コースタイムは約6時間となっている。丹沢の大倉尾根が7kmで標高差1200m、コースタイム3時間ということを考えれば、4時間以内で登れるだろうとは思った。
 林道から登山道に入ってまもなく、午後4時頃までには登るようにという看板があった。まあ、なんとかなるだろうと思った。
 千枚小屋への登山道はなだらかで歩きやすい道だったので、サクサク歩いていった。展望のきかない樹林帯をひたすら登っていく。花などほとんど咲いていないが、キノコはあちこちで見かけた。
 清水平の水場で水を飲む。けっこう暑くて汗もかいていたので、冷たい水はありがたい。
 樹林帯のため、ほとんど展望はないが、見晴台のあたりで、赤石岳や悪沢岳が見えた。

赤石岳
中央奥が赤石岳
悪沢岳
悪沢岳

 さらに登っていって、登山道が左に曲がり、西へ向かうようになると千枚小屋も近い。出発時間が遅いため、登山道で他の登山者に会うことはあまりなかったのだが、千枚小屋が近づくにつれ、チラホラと追い抜いていくことになった。
 3時34分、千枚小屋に到着。予定どおり4時までに登ることができた。

千枚小屋
千枚小屋

 さっそく千枚小屋で受付。受付は1階だが、入口は一旦外に出て、階段を登って2階である。椹島から登る場合、初日はこの小屋に泊まる人が多いのだろうが、それでも北アルプスや南アルプス北部の山と比べれば登山者の数は全然少ないから、さほど混んではいなかった。

 千枚小屋周辺は花が多かったが、時期的に、もう夏の花は終わりに近かった。千枚小屋の周辺ではトリカブトが多かった。

トリカブト
薄い色のトリカブト
お花畑
千枚小屋のあたりはサラシナショウマも多かった

 南アルプス南部の山小屋はどこもそのようだが、寝具は布団ではなくシュラフである。千枚小屋の場合、シュラフ+毛布+枕だった。
 なお、台風の影響で、昨日登った人はわずかだったらしい。ということは、この日同宿した人たちのほとんどが明日、荒川三山、赤石岳と同じコースを歩いていくことになるわけだ。

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椹島(12:27)→清水平(13:51)→千枚小屋(15:34)

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