「スロウハイツの神様」

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)辻村深月さんの本の中で一番好きな本を久しぶりに再読。 あ~、やっぱりこの本はいいな~ チヨダ・コーキの小説の狂信的な読者が起こした事件がもとで、マスコミから糾弾され、自らも責任を感じて休筆したチヨダ・コーキ。 その一方で、悲惨な境遇にありながら、チヨダ・コーキの小説を読むことだけを楽しみに生きてきた少女がいた。匿名少女の投書が新聞に掲載されたことによりチヨダ・コーキは救われて、再起を果たした。 そして・・・ スロウハイツは若きクリエーター(とクリエーターの卵)が疑似家族を形成して共同生活を送るアパートである。 オーナーの赤羽環は若き売れっ子の脚本家。住人は映画や漫画、絵画でプロを目指す友人たち。そして、中高生に圧倒的な人気を誇る作家チヨダ・コーキもここに住んでいる。 物語はスロウハイツに加々美莉々亜が入居することによって動き始める。彼女はかつて事件が起きた時に新聞に投書した匿名少女らしいのだ・・・ あらすじを書くことは控えるが、赤羽環とチヨダ・コーキが物語の軸となる。 非常に気が強くて、決して弱味を見せることのない赤羽環は容赦なくきついことも言うけれど、言葉とは裏腹に思い遣りが深く、実はすごくやさしい女性でもある。 赤羽環が決して人には見せようとしない本当の想いが明らかになる時、涙ぐましくなる。 そして、環に対するチヨダ・コーキほか住人たちの想いも暖かで・・・ なんて素敵な小説なんだろう。 (具体的に書いてしまうとネタバレになってしまうし、ネタバレせずにこの小説の素晴らしさを書くなんてむずかしい。) きっと、また、読み返すことになるだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください